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「首折り男のための協奏曲」 読書感想文

「首折り男のための協奏曲」伊坂幸太郎

 

読了しました!!

 

首折り男って、てっきり「マリアビートル」の七尾のことかと思ってたけど違うんですね笑

七尾くんもあの小説の中でポッキポキと人の首を折ってました

あんな性格だけど結局一番人を殺してたような…

 

この小説は基本的には短篇集で、首折り男と、伊坂作品にはちょくちょく出てくる黒澤が軸になっています

その中でも「私の舟」は「最後の恋」という短篇アンソロジーに収録されていて、既に読んだことがありました

 

帯には「伊坂マジック!」と書かれていたけど、そこまで大掛かりな伏線回収はありません

ただ小さな伏線をポンポンと回収していくのは心地よくもあります

 

一番最後に収録されていた「合コンの話」は一風変わった構成です

特に大きな謎はないのだけど、ああいった書き方だと先が気になってドンドン読み進められます

凄く上手いと思いました

「嘘」明野照葉  読書感想文

「嘘」明野照葉
読了しましたー

 

 

優しかった姉が、一人旅の後に別人のように冷たくなり狂人のような振る舞いまで…どうして?

というお話です

身近な人間がこんな風に豹変したらただ戸惑っちゃうな

 

読んでる途中でなんとなくオチがわかるのがちょっと残念

と言うか、プロローグの時点で由記は死んでるから、これは美久を悲しくさせないようにするための演技だろうなってわかっちゃいますよね

 

悠介がずーーーっと良い人だったから、実は一番大きな嘘をついてるのが悠介で、最後に全てをひっくり返してく系か!?と思いきや普通にひたすら良い人でした(´・ω・`)

 

しかし…由紀は自分の最後の時間をこんな風に過ごして本当によかったのかな

ハメを外したいという言葉は本音の部分もあったのかもしれないですね

「一八八八 切り裂きジャック」 読書感想文

「一八八八 切り裂きジャック服部まゆみ

読み終わりました!

 

以前読んだ「この闇と光」が本当に素晴らしかったので同じ作者さんのこの小説を手に取りました

文庫版で769ページの大ボリュームの作品でした…

連休を利用して、読み進めて、眠くなったら寝る、起きたらまた読む…ということを繰り返し、恐らく10時間くらいで読み終えたと思います

 

 

この作品は1888年のイギリスで切り裂きジャック事件を追うというストーリーになっていますが、僕は主題は柏木青年のモラトリアムではないかと感じました

旗本の息子が、当時の最先端の国に留学して、受ける衝撃はいかほどなのでしょうか

見るもの全てが新しいといった状態でとんでもない刺激ですよね

そんな刺激を自分も味わえたらいいな、と思いました

 

 

 

そしてこの小説で何より素晴らしいのはまるで自分がヴィクトリア朝時代のイギリスにタイムスリップしたかのように錯覚出来ることですね!

重厚で丁寧な描写に加えて、著者の気品溢れる文章、柏木青年を通して優雅な光と同時に闇を照らしてくれます

光と闇、これは著者の中で大きなテーマであるのかもしれません

序盤から矢継ぎ早に出てくる総勢100名以上の登場人物や、出来事はほぼ全て実在の人物、史実だそうです

怒濤の勢いで人物が出てくるので最初は読み進めるのが辛かったのも事実です…笑

当時の歴史に詳しい人が読むと更に楽しいんだろうなー

 

「エレファントマン」という存在をこの小説で知ることが出来ました

彼はどんな風に人生を送ったのだろうかという興味が沸きました

 

そして鷹原惟光です

品格に溢れる魅力的な人物で、彼に引き込まれるように小説を読んでいました

その堂々たる振る舞いに憧れずにはいられません

 

「笑顔は礼儀さ。個人的な想いで徒(いたずら)に相手を不愉快にさせることもないだろう。僕から云わせれば、甘えであり、わがままだ。」

 

この台詞が特に好きですね

 

 

服部まゆみさんの文章はとても甘美で品格に溢れていると思います

全編通して美を感じます

彼女は芸術家でもあったそうですね

2007年に59歳の若さで亡くなっているそうですが、とても惜しいです

でも何と言おうと僕は彼女を気に入りました

また近い内に服部まゆみさんの小説を読みます(^^)v

 

火星に住むつもりかい?  読書感想文

「火星に住むつもりかい?」伊坂幸太郎

 

を読みました!

6時間くらいかけて一気読みです

 

なんだかとっても感想を書きづらい作品です…

陳腐な表現であまり使いたくないのですが、考えさせられる作品です

 

「あの、正義ってなんでしょう?」

帯にも書いてあるこの言葉が読んでいる間終始頭に浮かびます

「この状況で生き抜くか、もしくは火星にでも行け」

現状に不満があっても逃げられない場合、結局はそれと向き合わなくてはいけないんですよね

それから逃げるのは火星にでも移住するくらい非現実な話なのだから

 

伊坂幸太郎らしい伏線トリックは控え目です、こちらの予想を外してきて「マジかよー」と思わず呟いてしまう場面あったけど

特に第二部のラストと、第四部のラストですね

 

 

平和警察という制度は実際かなり無理があるような気がする!!

あんな現代の魔女狩りが果たして成立しうるのか…

現代人でも意外と受け入れてしまうんですかね

SNS等のネット炎上とか見てるとあり得なくもないのかなって怖くなるときがあります

 

伊坂幸太郎は「集団の心理」に関して様々な作品で言及していますね

ゴールデンスランバー」「モダンタイムズ」そしてこの「火星に住むつもりかい?」は特にその傾向が強いと思います

 

何が正しくて間違っていて、何が正義で悪で、そんなの結局はわからなくて、立場によっても変わってしまう世の中なら、その世の中に擬態して上手く紛れ込んで生きていく強さと賢さも必要なのかとしれません

臆病は伝染する、そして勇気も伝染する

伊坂幸太郎の「PK」を読みました!

 

いくつかの異なるエピソードが少しずつ繋がって結末に向かっていくという、とても伊坂幸太郎らしい作品でした

「モダンタイムズ」+「フィッシュストーリー」みたいな読後感ですね

「世の中に存在する流れ」というようなワードからはモダンタイムズを感じるし、一つの小さな出来事がやがて世界を救うっていうところからフィッシュストーリーを感じます

ただこの作品ではそれが意図的に行われているしちょっと違うけれど

 

伊坂作品はいつも読者に人生を問いかけてくるような気がします

それは本当に正しいのか?自分にとって大切なものはなんだ?と

 

そして僕はこの作品で引用されていたアドラーの言葉が印象に残りました

 

臆病は伝染する、そして勇気も伝染する

 

作家は勇気を出して改稿を拒み、大臣は勇気を出して子供を救い、サッカー選手はPKを決めた

 

僕は臆病を伝染させてはいないだろうか

勇気を伝染することの出来る人間になりたい

笑顔を伝染することの出来る人間になりたい

 

 

そんな風に思いました

 

闇と光の神 アブラクサス

服部まゆみさんの「この闇と光」を読みました

Twitterでフォローしている方がこの作品を絶賛していて、何も知らない状態で読んで欲しい、と言っていたので、背表紙のあらすじすら目を通さずに読み始めました



主役はレイア、別荘に囲われている盲目のお姫様
中世ヨーロッパのような舞台
姫、王、城下、兵士…等それを感じさせる単語が沢山出てきます
しかし、くまのプゥさんが現れたり、カセットテープが登場したり、あまつさえ夏目漱石すら出てくる…

なんかおかしいぞ…中世ではないっぼいどころかヨーロッパでもない?

なんかおかしいぞ、なんかおかしいぞ
と、どんどん読み進めて半分を過ぎた頃に、何もわからなかった物語が色付き始めます
それから怒濤の勢いで物語は終了します



ネタバレを避けて大まかなあらすじをこんな感じですかね
ここから先はネタバレを気にせず素直に感想を書いていきます


いやー!!
やられた、凄い作品ですよこれは

途中からは王でも姫でもないんだろうな、盲目だし嘘を言っているんだろうなと薄々感じてはいたけど、まさか男の子だったとは…
それはさすがに予想出来なかった
そして王もダフネも兵士も同一人物、下の部屋の喧騒は録音したものを流していただけ


とにかく想像力が試される作品ではないかと思いました


作家の原口が「王」だったとして、彼は何を考えていたのだろう
僕が思うに彼は究極の美を作り上げたかったのかなと
最初はそんなつもりではなかったかもしれないけど
美しい世界を作るために王、ダフネ、兵士を使い分け、物語を与え、音楽を与えた
でも彼は狂人ではないから、罪悪感にも苦しみながら、その狭間でそれを行っていたのかな

一番わからないのが彼で、レイア一の行間から想像していくしかない


そしてレイア、大木怜です
彼は彼女はこれからどのようにして生きていくのだろうか
盲目の9年間で女の子として育てられ、美しい世界のみを与えられて育ち、いきなり現実に放り出された
そして「王」に対しての憎愛入り交じった感情はどんなものなのか
その心の内を想像してはみるけどいまいち掴めない


恐らくはこの二人はこれから売れっ子作家として、新人作家として表向きは普通に生きていくんじゃないかなと
その一方で、親子愛とも同性愛とも言えない複雑な関係をあの別荘で築いていくのかな
そしていつか大木怜自身が、誰かのアブラクサスになる未来まで想像しました


美とは何だろうか?
常識とは何だろうか?
それぞれ何を考えて、思っているのだろうか


そんなことを考えながら何回でも読める作品だったんじゃないかなって思います

世界は自分の心が作り上げるもの
だけど心は自分だけでなく環境にも影響されながら形成されるもの
そんな風に僕は感じました


まだまだ読み込んでみたいし沢山の人の感想が気になります

読書感想文「砂漠」

伊坂幸太郎、「砂漠」を読了しました

 

結論から言うと本当に良い小説でした!!!!

 

まさに青春ですよね

友達がいて、彼女がいて、ちょっとした事件も起こって、少しづつ時間が流れていく

彼らの中に自分も混ざりたいなって思いました

 

どのキャラも魅力的なのですがやはり西嶋が最高ですね

 

「そんな事ね、関係ないんですよ、やっちゃえばいいんですよ」といった勢いで本当に「西嶋は臆さない」

多少(多少じゃないことも…)の矛盾なんて無視です、突き通す強さがある

合コンでの描写から西嶋はそれで自分がバカにされてることもわかってる、それでも止まらない、わかっていて尚進む

この力強さ、自分を信じる強さって言うのは本当に魅力的でした

自分も西嶋のようになりたい!!って強く思いました

道に迷ったり、凹んだりしてる時にこの小説を読み返したら西嶋の力強さや鳥井の立ち上がる強さに励まされる予感がしています

 

 

 

 

なんてことは、まるでない

 

 

 

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