読書感想文 「死神の浮力」

伊坂幸太郎の死神の浮力を読了しました

この作品は「死神の精度」の続編に当たる作品で、死神の千葉が主人公のお話です

 

開始から数ページで既に引き込まれてしまうのはさすがの伊坂幸太郎

最初の状況設定がとても上手い作家さんだなと思います

「モダンタイムス」の今まさに拷問を受けようとしている場面然り、「アヒルと鴨のコインロッカー」の広辞苑を盗むために書店を襲おうとしているという場面然り

そして528pというボリュームながらも一気に読み進められてしまう軽快さ、さすがの伊坂幸太郎

僕はこの作家さんの作品が大好きで、全作品の読破を目標にしています

 

サイコパスへの復讐劇がこの作品のあらすじです

こう言ったら不謹慎なのかもしれないですが、僕自身はサイコパスというのもは非常に得な性格かもしれないと思うことがあります

良心が欠如していることで何でも出来る、無敵だ、実際この作品でもサイコパスである本城は人の心を手玉に取りやりたい放題です

しかしそのことにより人の恨みを買い結果的に何らかの報復を加えられててしまうのであれば果たして本当に得なのであろうか

イヌイット族のクランゲタが、誰も見てない間に氷河の淵から落とされてしまうように、排除されてしまうのであればやはり共感能力がある方が得で、強いのではないかと思いました

またサイコパスは愛情を受け取る能力がないそうなので、常に物足りない気持ちを抱えて生きてると何かで読んだことがあり、それはそれで辛いだろうなとも思います

 

しかし伊坂作品です!!

非常にエンターテイメント!!山あり谷ありで飽きさせないなー

映像化されたら最後の自転車からダムまでのシーンは非常に迫力があって面白そうです

 

前作「死神の精度」は映画化されているのでどうしても千葉さんは金城武をイメージしてしまいます。笑

復讐劇でありながら、どんな状況でも千葉さんはマイペースでズレている場面でついつい笑ってしまいます(彼からしたら普通のことなのだけど)

最後の本城への仕打ちは・・・想像を絶しますね

鰐が逃がしたのも本城であるならば自業自得

同作者の作品「マリアビートル」の王子慧もまたサイコパスであると思いますが、似たような仕打ちを受けているのでしょうか

 

とても面白い作品でした

満足です!!